うごけない。

2012/02/24 Fri

寝たくても眠れない。
動けない。まぶたも下りない。ただ宙の一点を見つめるだけ。
夜が明けてくる。だんだん明るくなっていく。明るくなるのが恐い。明けたこの日をどう過ごせばいいのか。

朝5時半にはいつも私たちのベッドルームのドアに、ドスンと体当たりしてドアの前で一言二言言いながら私たちが起きるのを待つ。まず一番に起きてくれてぼくを庭に出してくれるステさん。
いっそいでおしっこをすませて、階段を駆け上がってくるぼく。
それから「ご・は・ん、ご・は・ん!」と期待に満ちた顔ではしゃぐ。
お父さんがごはんを作ってくれる。
ごはんを温めてあげるのに、チン45秒。顔を電子レンジにくっつけてワクワク。電子レンジって魔法の箱だもんね。
ごはんをあっという間に平らげ、ご満足。
それからはしばし男ふたり水入らずの時間。

空が明るくなってくる。夜中は寝息もたてていたステさんの背中が震えている。静かな嗚咽が聞こえる。

水が欲しい。でも起きてぼくの部屋の前を通ってキッチンに行くのが恐い。
ぼくの部屋のドアはいつもと同じように開いている。おもちゃもそのまま。ベッドもそのまま。誰もいない。

どうやって台所に立てばいいんですか。冷蔵庫開ける、冷凍庫を開ける、トントンと切る音にすっ飛んでくるぼく。

動いたら、見たら、ぼくのおもかげが。

波のように押し寄せてくる押しつぶされそうな重圧感。息ができない。くるしい。動けない。
外に出ても、毎日歩いた道、3人で一緒にいく近所の八百屋さん、どこも歩きたくない。

きのうはすてさんと、なんでもいいから家の外に出ようと連れ出された。
どこに行く?どこって、いつもいっしょに行っていた所ばかりで、「思い出の場所」なんかにはまだ行かれない。
結局連れて行ったことのなかった、海岸を見下ろす丘にドライブ、そこから先のかわいい町のカフェに行った。
カフェの外のテーブルに犬を連れた人がいた。
私たちは中に座った。無理やりなんか食べた。

夜はやっぱりまだキッチンで料理はできない。ましてや家で食べてから、一緒にごろごろする子のいない所にはいられない。
近くの日本の居酒屋に歩いていって焼酎一本空けた。(これは普通ですが)

今日は約束どおり、ぼくのガールフレンドのフラニーちゃんがやってくる。今日から2ヶ月弱お預かりする。
十分にかわいがってあげられる自信は正直言って、ない。
ぼくのいないぼくの部屋でどうかわいがってあげられるのか。
これから二人でいっしょに暮らして、またどう成長していくのか楽しみにしていた。
またこのふたりが一緒にいる姿がめちゃくちゃかわいくて、ぼくはフラニーちゃんが家に来てくれた時は、いつもはみ出しそうな笑顔が絶えなかった。

来週からフラニーが来るから、その前に親子3人で雪のある所に行こうよって私が急に先週言った。
まだ一度も雪を見たことなかったぼく。みなさんのブログを見ていて、楽しそうに雪で遊ぶ子達を見ていて、この子にも雪で遊ばせてあげたかった。
急に決めて、急に出かけた一晩旅行。
行き先ではあいにくあまり雪はなかったけど、おでかけ・お泊り大好きのぼく、ホテルの部屋に入るなりベッドに登って大はしゃぎ。夜は部屋で食事をして3人でごろごろしながらビデオを見た。そのままいっしょに寝た。
いつもは一人で自分の部屋で寝るから、お泊りでいっしょに寝れるのは特別さ。

朝ホテル前の湖の湖畔で少々積もっていた雪で遊ぶ。楽しそうな姿、湖にもひじまで入ってみた。雄大な山と湖の前でとった写真の数々。今はとても見れない。

湖畔はプライベートの土地で、ホテルの土地を通り越してつづきの別荘の地にも入っていった。
最近とてもお利口にできるようになった、「Leave it」放しなさい。その朝も何度かものをくわえたけど、ちゃんと放せたよ。
でも見てない所でなにか口にしていた - としか思えない。
たぶん小動物か何か用にしかけてあった毒の入ったなにか。


それから帰路につき、車の中で急に激しくもどした。山道で酔っちゃったかなー、なんて言っていた。
その後2回吐いた。
3時間かかって家についた時は、まだ気分が悪そうだったけど大丈夫そうだった。でも家についてから30分としないうちに、キュ~ンキュ~ン鳴きだし、息が荒くなり、あわてて病院に運ぼうとしたその時点でもう立てなくなっていた。そこから一気に転落していった。救急についた時はもう危篤状態。意識が戻ることはなかった。
すぐに集中治療室へ、はじめ待合室で待っていた間、さっきまで遊んでいたこの子が、まさかまさか死んじゃうなんて、とおもいたくなくも、先生たちの様子から、もうダメだと感じていた。
この待っていた時間はこの世の地獄だった。くるしくて、息ができなくてつぶれそうだった。
最後には心臓マッサージや延命行為はしなかった。
しずかに息を引き取るまで30分ほどいっしょにいた。
ぼくの前ではぜったいに取り乱したくなかった。
安心していってほしい。
「おやすみしよ。
いつもぼくはおりこうにひとりでねんねできるけど、これからはずっといっしょだからね。
おもいっきりお友達たちと遊んでおいで。
ママもパパもずっとずっといっしょだよ。
安心して、おやすみだよ」

治療室を出てからは、足が地についているのかもわからない。
どうやってこれからいればいいんですかー。

あまりの苦しさに、さびしさに私も消えてしまいたい。
ステさんが横にいてくれなかったらどうなっていただろう。

ステさんも文字通り「目の中に入れても痛くない」ほど可愛がっていた。
「ぼくの息子だ」って。

まだ一歳になったばかりだよー。
このひと月でとっても大人っぽくなってきたね、と行きがけに話していたところだった。
でもまだまだ体も大きくなるし、まだしばらくはパピーでいてもいいよって。
こ~んなに大きなママの赤ちゃんだもんね。
永遠にママの大きな赤ちゃんだよ。

二人で乗り越えていくしかない。
こうしてここに書かせてもらったりするのも支えになっています。
でもいまここでいったん書くのをやめたら、またどんぞこ。。。
なんとか体を動かして行かなきゃいけない。
もうすぐフラニーが来る。
こわい。。。

弁慶のブリーダーさんに報告の電話をしました。
ぼくのお母さんが来月懐妊の予定だそうです。
パピー、予約しました。
弁慶の代わりにはなれない。でもぼくと血のつながった子がまた側に来てくれるとの希望になんとか今はしがみついています。
順調に行けば、7月末にうちに迎えることになります。

今はコメントのお返事できなくてごめんなさい。
でもみなさんの心のこもったメッセージに励まされます。
自分勝手ながら、まだコメント欄を開けたままにさせてください。
ありがとうございます。

Comments

Secret

全然気づかなかった・・・
カルさんゴメンネ。

なんで??
どうして??
なに食べた??
急な話に驚くと同時に、
あ~・・・
弁慶君が天国に行っちゃったんだ・・・
あ~・・・
あ~・・・
私も悲しい・・・。

あ~・・・
フラニーちゃん、
弁慶君を探すでしょうね。

動物と話が出来たらな~。


パピ・・・
うん!弁慶君ではないけれど、
DNAは同じだもんね✿

これからも弁慶君との思い出話をたくさんして、
共に過ごした場所へ行けば、
天国の弁慶君が大喜びすると思います✿

うん!絶対にカルさん夫婦は乗り越えられる!
可愛い猫ちゃん達もいるから大丈夫!

私だったら絶対に次の犬へは進めない;
辛い気持ちで一杯のカルさんの文面に・・・
励まされる母ちゃんでした。


たくさん太陽に当たって、
カルさん夫婦が少しでも元気になりますように☀



書いてくれてありがとう

苦しいよね
本当に、でも何かあったんだね

パピー予約できて良かったね

同じ血が流れている子だもんね

涙は一杯流してね

無理やり食べてね

日本からだけれど一緒に泣くしか出来なくてごめんね

カルチョちゃん
あまりにも突然の出来事に、悲しすぎて言葉になりません。
ステさんとカルチョちゃんがどれだけ涙を流しているかと思うと、今すぐ駆けつけて抱きしめたいです。

弁慶くんも何がなんだかわからないまま、パパとママに見守られて眠りについたのでしょう。
たった1年しかカルチョちゃん家族と過ごせなかったけど、たくさんの笑顔と愛を残してくれて。

遠い日本から心寄り添うことしかできないけれど。
どうかステさんとカルチョちゃんが深い悲しみから少しずつでも
前を向いて歩いていけますように。
ウィリーくんと弁慶くんはいつもカルチョちゃんのそばで遊んでると思います。

なにを言ったらいいのか、・・・なにを言いたいのか、分からないくらいです。先日、仲良く並んだ写真をみたばかりだったのに。
テレビでサンフランシスコの番組があったので、この海岸を弁慶くんはあるいているのかしら、とか、この海をみているのねって、
遠くにいる親戚みたいに弁慶くんを思い出しながら観ていました。なのに、どうして?

なぜ、なぜ?きっと、それはカルチョーフィさんのほうが、思っていることだと思いますが。

ありきたりの言葉しかおもいうかばないのですが、 
身体に気をつけてくださいね。
いっぱいいっぱい、弁慶くんの思い出を抱きしめてください。
弁慶くんは、いつでもそばにいます。
わたしたちのなかにも、かわいい弁慶君がいます。

弁慶くん、だいすきだよ!!

カルチョーちゃん、詳しく書いてくれてありがとう。書きながらもどんなにつらいだろうと想像しているけど、そうすることで気持ちの整理もできるかもしれないね。
わたしにもまだ2人の悲しみを癒せるような言葉が見つけられないけど、パピーの到来を待つうちに少しずつでもあなたのからだと心が動くようになれば....と祈っています。少しでも食べてね。のんでばっかりじゃあだめよ。

お久しぶりです。

久し振りにクックパッドをひらいたら、こんな悲しい出来事・・・。

闘病生活での死なら、辛くてもまだ納得できる。
するしかない、とも思える。
でも、こんな突然の出来事で自分たちの前から姿を消してしまうなんて・・・、どう心の整理をつけたらいいの?

辛いです。
話を聞いているだけでもカルチョさんの心の痛みが伝わってきます。

もっと、もっと、もっと、あんな事してあげれば良かった。
こんな事してあげれば良かった。
いろんな所に連れていって、一緒に遊んで、一緒にご飯を食べて、一緒に寝て。
これから沢山の思い出を作るはずだったのに。
・・・そういう思いで頭の中がいっぱいですよね。

カルチョさん、自分を責めないでね。
私もチョビの時、すごく自分を責めて塞ぎ込んでしまった。
でも、自分を責めて『ごめんねごめんね』って謝るよりも、『今までたくさん有り難う』って毎日お空を見上げて言ってあげる方がきっとチョビは嬉しいはずだよって旦那が言ってくれた。
その言葉にすごく救われました。

今はきっと弁慶君の思い出に涙する日々でしょうが、いつかまた元気になってクックパッドに遊びに来て下さい。

きっと猫達もお母さんの元気な姿を待っていると思います。

カルチョーフィさんへ。

カルチョーフィさんの気持ちが痛いほど分かり胸がいっぱいに
なりました。
私は弟が高校生の時に交通事故で亡くなりました。
さっきまで居たはずの人が突然いなくなるつらさ・・・
とても分かります。
くよくよしていた自分をある時、弟に逆に背中を押してもらって動けました。
きっと 弁慶君が背中をおしてくれる時がきます。
絶対に無理はしないでください。
青い空みて太陽の光をあびて、絶対自分をせめないで
くださいね。
永遠に息子。絶対見守っていてくれると思います。

驚きで言葉が見つかりません。

バロンとフタリ、弁慶君のご冥福をお祈りしています。

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登場ワンニャン・他。 
♪真太郎:バーニーズ♂2012年3月生まれ ♪タマ:猫♀04年生 ♪大五郎:猫♂09年生 ♪寅:猫♂14年生 ♪優三:バニ♂17年生 ♪ご近所さん達キングスリー(バニ)とエラ(ビーグル) <にんげん>:すてさん♂ だんなさま・みんなのおとーさん。照明専門舞台裏方、セーリングに熱中。 ☆お星さまになった弁慶:バニ♂永遠の1歳 ☆ウィリー:猫♂享年17歳 ☆ケーシー:猫♀享年16歳                              

カルチョーフィ

Author:カルチョーフィ
人間♀。昭和生まれ。本業バイオリン弾き

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